トップページ >  童話一寸法師
       
むかしむかし、ある所に、小指ほどの小さな赤ん坊が、
お爺さんとお婆さんに育てられておりました。
おじいさんとおばあさんはその子が一寸ばかりしか背がなかったことから、
一寸法師と名付け、かわいがりましたが、一寸法師はさっぱり大きくなりません。
雄々しき若者になるのに十分な年月が過ぎても、その子は、さっぱり大きくなりませんでした。
 
あるとき、一寸法師は、京の都へ行ってみたくなり、
おじいさんとおばあさんに許しをもらって、家を出て行きました。
 
   
京へ着いてまもなく、一寸法師は、あるお屋敷のお姫さまの遊び相手として
召しかかえられることになりました。
 
ある日、お姫さまが清水寺へお参りに行くことになり、一寸法師は、
姫の袖の中に隠れてお伴をしました。
 
         
  しかし、そこへ鬼が出て、清水寺へのお参りの帰りに、
お姫さまを連れ去ろうとしたのです。
そのとき、一寸法師が飛び出して、鬼の目を針でチクリッと刺しました。
鬼はビックリして逃げていきました。
  後には、鬼が落としていった“打ち出の小槌”という、振れば願いごとが
何でもかなう宝物が残されていました。
  お姫さまは、それをつかって、「一寸法師よ。大きくなれ、大きくなれ」と振りますと、
一寸法師の背は少しずつ伸びて、ついに普通の背丈の立派な若者に
変身したということです。
  めでたし。めでたし。